極楽ぼっち

ひとりの時間はこうして楽しむ

秋の奈良旅行

奈良県最大のフードフェス

 京都で初雪のニュース。ほんとうなら1月8日は京都にいるはずでした。次の機会を待ちます。「京の冬の旅」も始まったことだし、今年も通いまっせ。

 さて、昨年の秋、奈良公園・登大路園地で開催された2023年シェフフェスタへ行ってきました。前乗りしてホテルウィステリア奈良に宿泊。部屋は新しくてきれい。少し狭いが、ツインルームを一人で使わせていただいたので問題ありません。壁を鏡張りにして広く見せたり、引き出し式の冷蔵庫や折りたたみ式のテーブルを置くなど、ベッドまわりの隙間を有効利用しています。

 

ホテルウィステリア奈良客室の写真
ホテルウィステリア奈良バスルームの写真
ホテルウィステリア奈良のツインルーム

 

 明くる日、徒歩で奈良公園へ。時折小雨がぱらつき、まだ昼前とあって、シェフフェスタの会場はわりと空いていた。視野狭窄のせいで人混みを歩くのが下手になったから、食事をするなら今だと思った。大好物の鮎の塩焼きを見つけ、早速ぱくつく。

 次は一皿で4種類のカレーが楽しめる、スリランカのカレーをいただいた。一見地味な青いインゲン豆のカレーがおいしくてびっくり。締めはモヒート。あいにくの天気で肌寒いが、外飲み最高。抜群の解放感。外気に触れながらお酒を飲むのって、何でこんなにおいしんでしょう。ビールも飲みたかったけど、足が痛くなる前に帰らねば。奈良県庁の屋上広場で休憩後、帰途に就きました。

 

カレーの写真
魚料理の写真
奈良シェフフェスタにて・スリランカのカレーと鮎塩焼き

 

正倉院展の後は駅チカ展望スポットへ

 10月下旬、第75回正倉院展に行くため再び奈良へ。わたしの予約時間は15時から。初めて音声ガイドを利用し、主に室内中央の展示を見学しました。金製の金具が美しい刀子(とうす)など、目当ての宝物はだいたいここに集まっている上、ショーケースが四面ガラス張りで見やすかった。本音を言えば、すべての展示品にじっくり向き合いたいけど、体力がもたない。1時間ほどで会場を出て、宿泊先のスマイルホテル奈良にチェックインしました。

 

 翌日、ランチは野菜を使ったイタリアンなんかいいよなと思いながら、餅飯殿商店街をぶらぶら。ビルの2階に、うってつけのお店がありました。ITALIAN Caravel(イタリアン キャラベル)さんです。イタリアのものでしょうか、雑貨が並ぶおしゃれな店内は、老若男女でほぼ満席でした。

 日替わりのパスタランチを注文。エビとホウレン草のトマトクリームパスタに、サラダと飲み物が付く。もちもちのパスタはもちろん、生野菜の上にトマトのラタトゥイユをのせたサラダがおいしかった。お店の方も親切で、一人でも心地良い時間を過ごせます。次回は夕食で、ピザとワインをいただきたい。

 

パスタの写真
野菜サラダの写真
Caravelさんの日替わりパスタランチ

 

 お店を出ると14時。奈良県庁の屋上広場を再訪しました。駅チカ、無料で楽しめる穴場の展望スポット。ウッドデッキを歩きながら、興福寺の五重塔や青墨で描かれたような山並みが望める。ベンチに腰掛けてぼーっとするもよし。前回訪ねた時は小雨が降っていたせいか貸し切り状態だったので、嬉しくなって1時間くらい座っていた。芝生の中から虫の声がしたような。気のせいだったのかしら。

 

奈良五重塔の写真
奈良展望スポットの写真
奈良県庁展望広場にて

 

奈良

形と色合いがかわいい若草山

 

 この日は晴れ時々曇りで、入場者は多め。親子連れの楽しそうな声がする。穏やかな午後。形と色合いがかわいい、大好きな若草山を眺めて、とてもいい気持ちだった。平和ってこういうことよ。虫の声も、はしゃぐ子どもの声も、平和でなければ聞こえない。戦禍の中にある人々が、早く平和の音を聞けますように。祈らずにはいられませんでした。

書くことの効能

 元旦は名古屋の自宅にいました。震度4だったが、カップに注いだコーヒーがこぼれそうなほど揺れた。時間にして1分程度だが、長く感じられて怖かった。今も余震が続く被災地の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 地下鉄乗り換え時に人とぶつかりそうになることが増え、昨年来、白杖の手配をした。大地震に遭ったら、わたしは逃げられないかもしれない。老いた親を守れるだろうか。身につまされる思いがして、昨夜も熟睡できなかった。それでもこうして記事を書いていると、一つ二つとあくびが出てくる。

 ネガティブな感情を紙に書き出すとストレス解消になると言われているが、テーマに関係なく、文章を書くと心が穏やかになる。書くという行為に没頭している間は、いやなことが頭に浮かばないから。

 もうすぐ朝5時ですが、ととのってきたようなので、これから寝ます。1月8日が祝日で良かったわ。成人を迎える皆様、おめでとう。

平城宮跡を見学しました・奈良時代に思いを馳せて

雨の朱雀門

駅チカ・R&Bホテル京都八条口に宿泊

 3月末、1泊2日で、京都と奈良に行ってきました。2日間とも断続的な風雨。カメラに防水カバーをかけて撮影に臨むも、レンズにつく雨粒が気に障る。見頃を迎えた桜は1カットも撮れなかった。

 

 夕方、京都に到着。改札内のみやげ店で弁当を買い、駅近くのR&Bホテル京都八条口にチェックイン。隣にコンビニエンスストアがあり、便利な立地です。客室に入ると、初めて見るタイプの照明器具が。棒状の蛍光灯のようなライトが、部屋の隅に立っている。ライトにはカバーがついていて、開閉して明るさを調整するしくみ。備品はベッドサイドテーブルにまとめられており、限られたスペースを有効に活用している。

R&Bホテル京都八条口・シングルルーム

 

ベッドサイド
冷蔵庫
ベッドサイドと冷蔵庫

 入浴を済ませて夕食。今夜の食事は「とり松」さんのばらずしと、缶入りの「純米吟醸玉乃光」です。丹後の郷土料理、ばらずしを食べるのはこれが二度目。酢飯の上に、おぼろ状の鯖と甘辛く煮た干ししいたけ、錦糸卵がのっており、彩りとして添えた紅しょうがが味を引き締める。酢加減も絶妙で、軽く冷やした玉乃光とともに、おいしくいただきました。

京都グルメばらずし
ばらずし
箸袋もかわいい・とり松さんのばらずし

 旅の2日目は、近鉄特急で奈良へ移動。悪天候にもかかわらず、奈良公園は観光客でにぎわっていた。傘の柄を肩とあごで支え、写り込みを避けて満開の桜にレンズを向ける。次の瞬間、風にあおられて傘が飛ばされてしまう。風はやむことなく、わたしは奈良公園を後にした。

 

 近鉄奈良駅前の観光案内所に立ち寄ると、平城宮跡歴史公園のチラシが目に留まった。以前から興味があったが、広大な敷地にひるんでしまい、行く機会がなかった。案内所のスタッフに話を訊くと、朱雀門ひろばを勧められた。歴史公園の入口にあり、長い距離を歩けなくても楽しめそう。バスに乗り、平城宮跡へ向かった。

 

 歴史公園に着くと、入ってすぐの所に遣唐使船の模型があった。乗船して中を見学できるほどの大きさだが、現代人の目には小さく感じられる。奈良時代の資料をもとに算出した定員は150人だそうだ。いやいや無理でしょ。昔の人は小柄といえども、めっちゃ密です。

遣唐使船の模型

 傘を差しながら遣唐使船を写真に収め、天平みはらし館へ移動。親子連れに交じってVRシアターを見学した。VRとアニメ、実写ドラマの3部作で平城京を学べる。大画面の迫力と相まって、思いのほか感情移入。ドラマの主人公は、渡唐直前の期待と不安に揺れる青年時代の阿倍仲麻呂。異国で官僚ににまで出世した人物を親しみ深く描いていたのが新鮮でした。

平城宮跡・みはらし館の展望デッキ

 このVRシアターを見た後、展望デッキへ上ると心に響くものがあった。VR映像と、目の前に広がる復元された平城京が重なる。すばらしい演出。時折、朱雀門の後ろを近鉄の電車が走るが、これはこれでおもしろい。過去と現在がつながっているのが見える。降雨のせいか、展望デッキは貸し切り状態。少し寒かったけれど、静かで豊かな時間を過ごした。旅するごとに、もう一度訪ねたい場所が増えていく。それが奈良。京都を愛していますが、奈良も好きです。

雪に備えて前泊2連チャン・ビジネスホテル好き

三交イン名古屋伏見に宿泊

 桜、散ってしまいましたね。数か月前、天気予報の雪だるまマークに振り回されていたのが嘘のよう。わたしは足が悪く視野障害もあるため、荒天時は職場の近くに泊まると決めている。降雪の可能性が高まった1月下旬、三交イン名古屋伏見を利用しました。ミキモト化粧品のサンプル付き宿泊プランです。

 

 退勤した時、雪はちらつく程度だったが、しばらくして大粒に変わった。ホテル裏手にあるコンビニで夕食を買い、チェックイン。客室入口の床は、大理石調のフローリングでおしゃれ。すっきりとしたベッドサイドに、コンセントとライトが備わる。ライトは明るさを調整できてありがたい。短い滞在時間でしたが、シンプルかつ上品な部屋でくつろげました。

 

<img src=”nagoya.jpg” alt=”ホテルのシングルルーム”/>

三交イ名古屋伏見のシングルルーム

 

デスクまわり

 

客室入口と冷蔵庫

 

ミキモトのセットとバスルーム


 名古屋クレストンホテルに宿泊

 伏見に前泊した週の後半、再び雪の予報が。週に2回も前泊するなんて贅沢かしら。迷った末、名古屋クレストンホテルに駆け込んだ。PARCO西館の上層階にあるホテルです。20時すぎにチェックイン。フロントスタッフはベテランの方でした。接遇が丁寧で温かみがあり、ホテルのファンになりました。

 

名古屋クレストンホテル・シングルルーム

 

デスクまわりと冷蔵庫

 

バスルームではかわいいアヒルがお出迎え

 

 客室番号を確認後、エレベーターに乗ってパルコのレストランフロアへ。多くの店がラストオーダーの時間を迎えていました。フロア内のスタバに寄り、部屋へ戻る。周辺にコンビニがないため、この日の夕食はサンドイッチのみ。

 

 シャワーを浴び、テレビを見ながらストレッチ。設備は新しいとは言えないものの、滞在するのに必要なものは一通り揃っている。室内照明はわたしの目には少し暗いような気もするが、デスクライトをつければ問題なし。個人的な感想ですが、何だか落ち着く。台風の時など、またお世話になると思います。

2022年度京都検定を受けました

夕食は近江ちゃんぽん

 昨年12月、京都・観光文化検定試験2級を受けました。試験会場は、太秦の京都先端科学大学です。前乗りして東横イン五条烏丸に宿泊。地下鉄の駅から徒歩3分、周辺には飲食店も多く便利でした。寒さのせいか足が痛み、もう歩きたくなかったので、ホテルの隣にコンビニエンスストア、その先に近江ちゃんぽんの店があるのはありがたかった。チェックインを済ませて、近江ちゃんぽんを食べに行きました。

 

<img src=”ramen noodles” alt=”近江ちゃんぽん”/>

ちゃんぽん亭総本家の近江ちゃんぽん

 

炙りチャーシュー

 

 野菜炒めをたっぷりとのせたちゃんぽん麺と、炙りチャーシューを注文。ちゃんぽん麺は、あっさりしたスープに野菜の甘みが溶け出し、やさしいお味。炙りチャーシューもしつこくなくて、ジューシーでおいしい。ここで冷えたビールを一杯といきたかったが、試験前ですから。コンビニで缶ビールを買い、ホテルの部屋へ戻りました。結局、飲むんかい。

 

東横イン京都烏丸五条・シングルルーム

 

デスクまわり

 

 翌朝、10時にチェックアウト。駅近くのやよい軒で朝食をとり、地下鉄で京都先端科学大学へ。中庭のベンチでひなたぼっこをして時間をつぶし、13時30分、試験に臨みました。制限時間は90分で、問題は100問あります。毎年事前に公開されるテーマがあるのですが、2022年度の2級のテーマは「京の国宝 美術工芸品」でした。受験の感想は、1問目から迷ってしまって難しかった。

 

 15時すぎ、会場を出ると、太陽が隠れてしまい風が冷たい。嵐山駅まで遊びに行こうかと思っていたが、諦めて京都駅へ。「京つけもの もり」さんの「だしおりーぶ」(袋入り)をみやげに買って帰りました。

 

だしおりーぶには山椒の実も入っています

 

だしおりーぶを使った簡単レシピ

 「だしおりーぶ」を買うのは2回目です。前回は白ワインと合わせたが、残った漬け汁が気になった。くせになるおいしさ。思わず、温かいご飯にかけて食べた。今回は、この漬け汁とオリーブの実、冷蔵庫にあったゆでうどんを使って、焼きうどんを作ってみました。作り方を紹介します。

 

だしおりーぶの焼きうどん

 

材料(1人前)

・袋入り「だしおりーぶ」の実と漬け汁 1/2

・ゆでうどん 1袋

・乾燥にんにくスライス 適量

・刻みねぎ 適量

・オリーブオイル 適量

 

作り方

1. ゆでうどんを流水でほぐし、水気を切っておきます。

2. フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくスライスを入れて香りを立たせたら、いったん取り出します。

3. フライパンにゆでうどんを入れて加熱します。

4. うどんの表面に焼き色がついたら、にんにくスライスとオリーブの実、漬け汁を入れて混ぜながら炒めます。

5. うどんを皿に盛り付け、刻みねぎを散らしてできあがり。

 

 さて、肝心の京都検定の結果は不合格。正解率が70%で合格とみなされるのですが、わたしの点数は48点。マークシート方式ということで、あわよくばと油断していた。公式テキストがあるんだし、ちゃんと読まないとだめね。次はこつこつと勉強します。

東横イン大阪天神橋筋六丁目・ビジホ派

目次

  • 日本一長い商店街まで徒歩5分
  • 神戸でahamoに乗り換える
  • 駅ナカで買える絶品カツサンド

 

日本一長い商店街まで徒歩5分

 10月初旬、大阪で宿泊。たくさんあるビジネスホテルの中から選んだのは、お手頃価格で部屋がきれいな東横イン。駅近で、日本一長いと言われる天神橋筋商店街にも歩いて行ける。夜盲症を抱えるわたしだが、少しだけ夜の散歩を楽しんだ。

 

 18時にチェックインを済ませ、天神橋筋六丁目商店街へ。アーケード商店街は想像していたよりも道幅が狭く、空間の密度が濃い。立ち飲みの店に惹かれたが、天神橋筋と言えば寿司。奮発して上握り寿司をテイクアウトした。

 

 五丁目まで歩いて脇へ入る。商店街と並行して横丁が伸びていた。店から漏れる暖かみのある灯りにそそられる。小箱で、外から様子をうかがえる店が多く、どこも入りやすそうな雰囲気。気取らない感じのバー、流行りのコーヒースタンドを思わせる立ち飲みの店。めちゃ寄っていきたかったけど、生ものを持って入るわけには。おとなしくホテルへ戻った。

 

<img src=”tenjin.osaka.jpg” alt=”夜の天神橋筋六丁目”/>

大阪・天神橋筋六丁目界隈

 

ほんとうは入りたかったBar

 ロビーでワンピースタイプのパジャマを取り、部屋へ。朝晩は寒くなってきたので、エアコンが個別か、全館空調なのかは気になるところ。東横インは個別でした。気候のいい時は全館空調でも問題ないけどね。壁には大きな時計が。机も大きめで使いやすい。買ってきた寿司折りを広げて、ビールとともにいただいた。机が広いと、ゆったりと食事ができる。

 

機能的なデスクまわり

 

寒色系のクロスには脳を鎮静化する作用があるとか

 

バスルームと冷蔵庫

 熱いシャワーを浴びた後は、風呂上がりの一杯。冷蔵庫で冷やしておいた、缶入りの水割りウイスキーを飲む。照明を落とすと、いっそうくつろいだ気分になった。ベッドサイドにアーム式ライトが設置されており、間接照明としても使えて便利でした。床のほうにアームを曲げ、フットライト代わりに。ベッドまわりに照明を備えるホテルは多いが、明るさを調節できないケースがわりとある。部屋が明るくても、真っ暗でも寝付けないので、調光できるタイプのライトがあるとうれしい。テレビを見ながら夜更かしをするつもりでいたが、いつの間にか就寝。

 

神戸でahamoに乗り換える

 翌日、地下鉄谷町線で東梅田駅に行き、日本一わかりにくいと言われる地下街を歩いて梅田駅に到着。さて、どこへ行こうか。まだ何も決めていない。阪神線に乗り、神戸へ移動した。東京の渋谷もそうだが、わたしはどうも坂の多い街に吸い寄せられてしまう。前よりも足が悪くなり、気持ちに体がついていけないにもかかわらず、坂の街へ行きたいのだ。

 

 三宮に着き、トイレを探していると、男性が声をかけてきた。「携帯電話の料金プランを見直してみませんか?」スーパーマーケットの入口近くに、出張販売ののぼりが立っている。旅行者だと答えると、神戸の思い出にどうぞとのこと。つい先日、職場の同僚とテータ通信料の話題で盛り上がったばかり。端末代金が含まれていないのに、そんなに払っているのかと驚かれた。機種変更をせず、料金が3分の1に抑えられるという販売員の言葉に、わたしは乗り換えを決めた。旅先で気が大きくなった? いやいや、これもご縁です。

 

駅ナカで買える絶品カツサンド

 成約のおまけを持って地上へ出ると、雨が降っていて肌寒い。1時間ほど三宮駅前をぶらついて、大阪方面へ引き返した。わざわざ新大阪駅から帰るのには理由がある。グリル梵(ぼん)のビーフヘレカツサンドを買うためだ。全国旅行支援スタート直前の連休とあって、駅は混雑していた。ハーフサイズを買い、早々に新幹線に乗った。

グリル梵のビーフヘレカツサンド

 ビーフヘレカツサンドの味の決め手はソースだろうか。甘みと酸味のバランスが良い。温めてもおいしいが、わたしはそのまま食べるのが好き。付属のカラシをつけながら食べればつまみになり、ビールやギネスビールにも合う。また買いに行くと思います。淀川を越えると、無性に恋しくなるので。

現実から逃げることにした

 帰宅途中、LINEが来たので送信者を確認すると、Mさんからだった。開くのはここまで。未読スルーで通して、ひと月が経つ。内容はだいたい察しがつく。

 

 彼女とは以前勤めていた職場で知り合った。わたしを親に引き合わせたいのだと思う。そして今度はMさんがわたしの親となり、わたしも子を増やしていく。ネットワークビジネスの話である。

 

 目の病気に効くからと勧められるまま、サプリメントを扱う企業の会員になった。気乗りはしなかったが、好きな時に購入するだけでも構わないというので。すると、毎週のように誘われるようになった。茶話会、異業種交流会。

 

 わたしは、はっきりと断った。何だか縛りがきつそうで、そういう集まりは苦手。Mさんの返信は、わたしは仲間が欲しいけど、誰でもいいわけじゃないの。あなたは将来が不安じゃないの? 

 

 意外だった。キャリア、人脈、お金、健康な体。わたしが欲しいものをすべて持っている彼女が、まだ先の老後を案じているのだ。失うものが大きいぶん、持てる者のほうが、不安感が強いのかもしれない。

 

 わたしにも不安はある。でも、先のことを考えすぎて暗い気持ちになる、その時間が惜しい。わたしの場合、すでに健康は損なわれているし、お金もない。守るべきものがないと、妙にさっぱりした、さばさばした気持ちになれるのだ。

 

 なるようにしかならないから、と答えると、日本の食品の多くは汚染されている。薬も同じ。Mさんの言う通りなのかもしれないが、目を逸らすことにした。善意だとしても、恐怖を煽ってわたしをコントロールしようとする人とは離れようと思う。今日も未読スルーにしたけれど、年賀状はどうしよう。今からもやもやしている。

日本橋サイボー・ビジネスホテル好き

美食の街・東京人形町のお値打ちホテル

 9月、台風接近のニュースに苛立ちつつ、3年ぶりに東京へ。旅の目的は、東京都写真美術館と日本カメラ博物館の見学です。二日目は大雨確定なのだが、会期の終了が迫っているため出かけました。

 

 昼過ぎ、恵比寿ガーデンプレイスに到着。軽く食事を済ませて東京都写真美術館の入口に向かうと、すでに行列ができていた。15時入場。QRチケットを提示し、3階の展示から鑑賞したのだが、2階を先にすれば良かったと後悔した。2階の展示のテーマは、死である。「メメント・モリと写真 死は何を照らすのか」、ずっと気になっていた展示、見終わった後は心に暗い影が残った。正常な反応だ。死ぬのは怖い。進行性の眼病だと告知を受けてから、自分に残された時間を意識している。終活も始めた。わたしにぴったりのテーマではあるが、ちょっと重かった。カメラのレンズを通して見た死は冷静で、それでいて波のように繰り返し胸に寄せてくる。

 

 地下1階の展示を鑑賞した後、館内のカフェで休憩。屋久島の紅茶をストレートでいただいた。甘みがあって、冷たくておいしい。おいしいものを口にすると心が満たされるのは、今ここに生きている幸せを直接体に取り込むことができるからだろう。背の低い、おしゃれなグラスに入った紅茶を飲み干して、美術館を出た。

 

 恵比寿駅のアトレで惣菜を買い、宿泊先の人形町へ。地下鉄の駅から地上へ出ると、とっぷりと日が暮れていた。店々に灯りがともり、一杯やりたい気分になってくる。人形町には良さそうな店が多い。前回、「サイボー」に泊まった時、何の気なしに入った鴨料理を出すイタリアンは大当たりだった。甘酒横丁にある老舗のたい焼きの味も忘れられない。この次は絶対に外食にしよう。途中でコンビニエンスストアに寄り、ホテルに入った。ロビーで必要なアメニティグッズを取り、部屋へ。

 

<img src=”nihonbashi-tokyo.jpg” alt=”ホテルのシングルルーム”/>

日本橋サイボー・シングルルーム

 

ソファとスツール

 

 暖色系の壁紙が印象的なシングルルーム。エアコンをつけ、冷蔵庫の電源を入れた。細長い机のそばには小さなソファとスツールがあり、クッションも置かれている。このクッションがありがたい。フットピローとして使わせていただきます。足を高くしないと眠れないのでね。

 

広めのバスタブがうれしい

 

 手荷物を下ろしてバスルームのドアを開けると、白い大理石風の床材に、楕円形の広めのバスタブ。わたし好みの白を基調としたバスルーム。すぐにでも入りたくなり、熱いシャワーを浴びた。備え付けのパジャマに着替えると、全身の力が抜けてくる。パジャマは、ビジネスホテルによくあるタイプのワンピースタイプだ。

 

冷蔵庫の容量は大きめ

 

 惣菜をつまみに、冷蔵庫で冷やしておいたビールを飲んだ。ミュージアムショップで買った文庫本、寄藤文平著『死にカタログ』とチャールズ・ブコウスキーの『死をポケットに入れて』をめくる。軽妙でいて鋭く、腑に落ちる。これから先、何度もページをめくることになるであろう2冊である。美術館で見た写真は、いたずらに恐怖心をあおるようなものではなかったが、作品のいくつかは頭にこびりついた。眠れなくなるのではないかと不安だったが、読書をしたのが良かったのか、熟睡できた。

 

 翌朝10時にチェックアウトし、小雨の中、近くにある小網神社へ向かった。神社の立て看板を目印に進み、路地を入ると、道路脇に置かれたカラーコーンに沿って並ぶ人々が。わたしも列に加わり、前の人にならって傘をたたみ、拝礼した。こぢんまりとした境内には、強運厄除の龍の彫刻、銭洗い弁天様と見るべきところが多い。今度はできれば平日に訪ねて、時間をかけて参拝したい。

 

小網神社

 お詣りを終えたあたりで雨脚が強まり、人形町駅に着く頃にはどしゃ降りになった。地下鉄に乗り、半蔵門にある日本カメラ博物館へ。ユニークな形をしていたり、特殊な性能を持つカメラを集めた特別展を見学。博物館のあるビルから外に出ようとして、思わず尻込みした。すごい雨。一歩足を踏み出すと、強風にあおられた。傘の柄を握りしめ、駅へ戻る。この様子では、新幹線が運休になるかもしれない。予定を早めて帰途に就いた。

 

 あいにくの天気だったが、まあ満足している。旅行に行けるのは、当たり前のことではないから。東京が好きなのはもちろんだけど、結局は遠出が好きなんだな。体はへとへとでも、心はスカッとしている。この快楽のために働いています。不純な動機を許して欲しい。

 

www.hotel-saibo.co.jp

椎間板ヘルニアと京都ひとり旅

桜満開の京都へ

 早いもので7月末。今頃になって桜の話題を取り上げるのもなんですが、ちょっとお付き合いください。

 

 左股関節からふくらはぎにかけて痛みがあり、階段の昇降にも難儀するようになった。MRI検査の結果は椎間板ヘルニア。手術なんてことになったら仕事はどうしようとびくびくしていたから、病名を聞いてほっとした。とはいえ痛いものは痛い。

 

 でも、撮影旅行には行きたい。桜の時季にじっとしていられるものか。4月初旬の土曜日、午後から京都へ出かけた。長患いの肘の具合もすぐれず、カメラはコンパクトデジカメを選択。

 

 夕方、京都駅に到着。夕食は、京都タワーサンド内にある鳥せいさんで食べようと決めていた。カリッとした鶏皮(塩)と「神聖」の生原酒が、たまらなくおいしい。イートインスペースに空きがあるも、自分で料理を運ぶのは大変。店内利用を申し出て、バスターミナルで時間をつぶした。30分ほどで連絡があり、お店に戻った。

 

<img src=”kyoto.jpg” alt=”コップに注がれた日本酒”/>

京都伏見のお酒・神聖の生原酒

 

塩とたれの5串盛合せ

 アクリル板で仕切られたカウンター席に通され、いつもの5串盛合せと生の原酒を注文。揚げだし生麩も追加。やきとりはたれも良いけど、塩で味わう砂ずりと皮が最高。生原酒との相性も良く、今も思い出しただけで喉が鳴ります。他のお酒をもう一杯いただきたかったが、人気店ゆえ早めに切り上げた。

 

 地下鉄を利用し、四条のど真ん中にあるホテルへ。大して歩いていないのに、足が痛くて動かしにくい。などと言いつつ、酒を買いに行く元気だけはあるのよ。隣のコンビニエンスストアで缶ビールを買い、京都セントラルインにチェックイン。

 

 このホテルを選んだのは、木屋町通りの夜桜を撮るためだった。ライトアップされた桜並木まで徒歩数分で行けるはずが、両足ともこわばっていて歩けそうにない。撮影を諦めてシャワーを浴び、缶ビールを飲んだ。肝臓は丈夫なんだが。旅先ではテレビを見たりして深夜まで起きているが、この日は0時前に就寝。

 

ツインルームにアップグレードしていただきました

 翌朝、ベッドの上でごろごろしながら考えた。身体に負担をかけずに撮影ができる場所はないか。体調に合わせて日程を自由に変えられるのが、ひとり旅の良いところだ。敷地が広すぎない、街中の寺社なら好都合。そこでひらめいた。バスで安井金比羅宮へ行こう。参道、境内に桜の木がある。

 

安井金毘羅宮の桜

 

しだれ桜も

 11時にチェックアウト。ホテル前の停留所からバスに乗り、安井金比羅宮へ。小雨がぱらつく中、有名な縁切り縁結び碑には行列が。わたしもご祈祷をしていただいたことがあり、時々お礼参りをしています。拝礼の後、境内の満開の桜を撮影。安井天満宮の傍らにある桜の木が見事だった。風も出てきて、来週までは持たないだろう。レンズにつく雨粒の大きさが気になり、カメラをバッグに収める。天満宮の奥に鎮座する八大力尊社にご挨拶をし、安井の金比羅さんを後にした。

 

迫力のあるお顔

 

こちらは笑っているよう

 

<img src=”kyouto.jpg” alt=”京都紅葉”/>

紅葉の時期はこんな感じ

 体力を温存するため、タクシーで錦市場へ向かう。渋滞を避け、三条方面からアクセスした。桜の見頃とあって、街は人と車でごった返している。錦市場も相変わらずの混みようだった。錦平野さんでいつもの「塩味えんどう」を買う。大國屋さんのうなぎの佃煮「ぶぶうなぎ」は、お店の前を通るたびに気になっていた。食べやすくカットされたパック入りの商品があったので、初めて買う。目当てのものを手に入れ、さっと四条通へ出た。活気あふれる市場は楽しいけど、空き気味の時にゆっくり散策してみたい。平日の開店直後が狙い目でしょうね。

 

 バスに乗って京都駅へ。この辺でブランチといきたかったが、大変な人出で飲食店に入れそうもない。空腹と喉の渇きにじりじりしながら名古屋に帰り着き、駅の地下街で担々麵を食べた。おなかが満たされると、京都が恋しくなってくる。混雑しているとわかっていても、ランチにありつけなくても、身体のあちこちが痛くても、なぜかやめられない京都の旅。もう"中毒"ですわ。また行きます。消毒液と頓服薬を持って、秋にでも。

ホテルボストンプラザ草津びわ湖

女性におすすめ! おしゃれなホテル

 感染者数がぐっと減り、このまま終息するのではないか。そんな気さえした、オミクロン株流行前の話です。

 

 滋賀県草津にある、ホテルボストンプラザ草津びわ湖に宿泊した。用事があったのは神戸だが、三ノ宮からJRで草津へ移動。ホテルは駅西口を出てすぐ。京都方面へのアクセスも良く、1階にはコンビニエンスストアもあり、とても便利。チェックアウトが11時というのも都合が良く、定宿として利用している。

 

<img src=”kusatsu.shiga.jpg” alt=”ホテルのシングルルーム”/>

ホテルボストンプラザ草津びわ湖ノースウイング・シングルルーム

 

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デスクまわり

 今回泊まった部屋は、ノースウイングのシングルルーム。アメリカの古都、ボストンをイメージしたホテルは、内装もアーリーアメリカン様式で温かみが感じられる。クリーム色の壁紙がかわいい。シモンズ製の広いベッドに、枕だけでなく、クッションが置かれているのがうれしい。

 

 わたしはクッションをフットピローにしています。シャワーの後とはいえ、ベッドの装飾品に足をのせるのは申し訳ないので、未使用のタオルを巻いてから使っている。フットピローがないと、力が入って眠れないんですよ。ちなみに枕は低いほうが好きです。ストレートネックのせいで、枕が高いとこれまた眠れない。

 

 カメラバッグを下ろしたら、洗面台で手と顔を洗い、うがいをする。コロナ前から習慣化しているが、より念入りにおこなうようになった。持参した消毒液を両手にすり込んだところで、冷蔵庫チェック。

 

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水鳥柄のカーペットがかわいい

 水とお茶、お菓子が入っている。こちらはサービスなのだそう。枕元に水を用意して就寝するようにしているので、この心遣いはありがたい。夜中に着替えて買いに行くのは面倒だし、喉が渇いているのに水を飲めない、あの飢餓感が苦手です。水分が近くにあるだけで安心する。大げさ? ちょっとおかしい?

 

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JR草津駅前のイルミネーション

 熱めのシャワーを浴びて部屋の照明を落とし、ベッドの上へ。手にはもちろん、ロング缶。カーテンを開けると、大きな窓からJR草津駅が見える。駅前のロータリーはイルミネーションに彩られ、雨に濡れていっそうきれいに見える。夜景を眺めながら飲むビールは最高です!!

 次に泊まるのは、祇園祭の時だと良いのだが。一日も早くコロナを手なずけて、自由に旅をしたいですね。www.hotel-bp.co.jp